経営に霊視などの鑑定は効果的か

経営判断で「数字に出ない要素」が結果を左右する

会社を経営していると、資料の上ではすべて揃っているのに、なぜか進まない案件に出会います。

条件の良い物件が見つかった。融資の目処も立った。それなのに契約が直前で止まる。あるいは、先月まではとんとん拍子に取れていた契約が、ある時期を境にことごとく流れ始める。信頼していた社員が辞める。得意先から一方的に契約を打ち切られる。社内の空気が、いつからか重たくなっている。

こうした出来事を、多くの経営者は「運が悪かった」「タイミングが合わなかった」と処理します。しかし鑑定の現場では、そこには必ず原因があると捉えます。社内の流れが悪くなるのにも、契約が頓挫するのにも、理由がある。ただ、その理由が日常の報連相やミーティングの議事録、損益計算書にも契約書にも現れないというだけのことです。

例えば、移転後に崩れていく会社には、共通した特徴があります。移転先をどうやって決めたのか。その時期は合っていたのか。方位はどう見極めたのか。この三つのうち一つでも見定めを誤ると、車輪が外れたように崩落が始まると言われます。得意先からの契約打ち切り、社員の退職、資金が入ってこない。それらは別々の不運に見えて、実は一つの原因から枝分かれしていることがあるのです。

経営者にとって時間は命です。不動産購入にあたって銀行との折衝、不動産会社との打ち合わせ、業者との調整。何度も重ねてようやく契約段階までたどり着いたのに、売主から一方的に打ち切られる。それまでの努力が一瞬で水の泡になる虚無感を味わったことのある方も多いでしょう。

鑑定では、そうした「止まる」出来事を、必ずしも損失とは見ません。不動産の売買には縁があり、その縁が正しいものか、そうでないかによって、進む案件と止まる案件が分かれる。止まること自体が守りである場合がある、という見方をします。

では、鑑定は実際のところ、経営にどこまで役に立つのか。実際の相談記録をもとに見ていきます。

事例が示すもの ── 何が、どこまで見えていたのか

名刺情報から相手の人物像を伝えた事例

ある女性経営者から、M&A先と新規事業店舗についての相談がありました。関西圏から離れた場所にお住まいのため、鑑定はすべて電話で行われました。

事前に、M&A候補先の名刺情報を受け取り、それぞれの会社の代表取締役がどのような人物か、専務取締役がどういう人かを霊視をしてお伝えしました。後日、実際に会った印象と一致していたと連絡がありました。そのうえで、女性経営者の意向に合致する会社を指定し、時期をいつにするか、いくらで売れるのかといった細かなことまでお伝えしました。しばらくして、M&Aがうまくいったと感謝の連絡がありました。

続いて、その女性経営者から新規事業の土地について依頼がありました。写真だけでは分かりかねるため、候補地の住所を教えていただき、遠隔で霊視しました。

一軒目は、そこで開業するとローンが下りないとお伝えしました。二軒目は、指定した方位の中には入っていたものの、土地との相性が悪く、商売をしても集客に苦戦するとお伝えしました。三軒目は、ご自身が納得できる土地でしたが、霊視すると敷地の中に井戸がある様子が見えました。その旨をお伝えしたところ、確かに井戸がありました。壊さずにリフォームするのであれば大丈夫とお伝えしています。

さらに後日、ご自宅建設のために更地の購入を検討しているとの連絡がありました。土地の状態は良いものの、不動産屋指定の建設業者があり、その業者と女性経営者との相性が悪いと見えました。「思う通りに間取りを決められないよ」とお伝えしたところ、実際にレイアウトや間取りを伝えると「それはできない」「要望は一切受けられない」と言われたそうです。

この事例で興味深いのは、さらに奥まで見えていた点です。「あなたは自分のために家を建てたいと思っていないから、余計な邪魔が入る」とお伝えすると、女性経営者は、実は交際中の男性がおり、将来その人と住める場所を探していると打ち明けられました。その男性には心に残る前妻がおり、離婚を後悔していることもお伝えしました。驚きながらも、その通りだと認められました。

倒産の危機から契約成立まで

次は、ビルクリーニング会社を経営される方の事例です。従業員は10人ほど。元請け会社が不渡りとなり売上が入らず、取引先の信用も失い、倒産の危機に直面されていました。

訪問すると、社内には不穏な気の流れがありました。気のクリーニングを行っている最中に電話が鳴り、得意先から契約取り消しの連絡が入ります。依頼主の顔が真っ青になる場面でした。

そこで、まず私を信じて指示通りに動いてほしいと伝えました。所狭しと積まれた書類のファイリング、物を置いてはいけないコーナーの指定、席の配置替え。そして期限を切りました。その日を含めて1週間以内にできなければ、私との縁はなかったことにしてほしいと。

1週間後に再訪すると、社内は見違えるほど整理されていました。仕事をしながら、奥様の介護をしながら、睡眠を削って取り組まれたそうです。

契約が取り消された件については「心配しなくても大丈夫」とお伝えしました。その取引先よりはるかに有益な会社と取引ができると見えていたからです。特定の日のアポの有無を尋ね、社名をお伝えした上で、最高の条件で成立すると伝えました。その日の夕方、依頼主から連絡が入りました。第一声は、ありがとうございました、でした。伝えた通りの条件で契約が成立し、従業員への給与も、仕入先への支払いも目処が立ったとのことでした。その後も、日付と担当者の特徴を事前にお伝えした商談は、すべて契約に至っています。

効果が出た人と、出なかった人の分かれ目

ここまで読むと、鑑定を受ければ物事が良い方向へ動くように思われるかもしれません。しかし、私が鑑定した中には効果が出なかった事例も残っています。

ある歯科医院から、クリニックの建て直しについて時期と方位を見てほしいという依頼がありました。時期はその年の5月が良いとお伝えしました。

問題は施工会社でした。依頼主のご友人で、某建築会社にお勤めの方です。霊視したところ、施工は納期を超えても完成せず、つぎはぎだらけのクリニックになる。設計書にない配線や換気口が入り、途中で予算オーバーになって設計通りにはならない、と見えました。

しかし依頼主は、古い友人だからという理由で、その方に施工を依頼されました。

半年後、連絡がありました。クリニックは欠陥だらけ。支払額は当初予算を大幅に上回り、施工は完了せず、有人の建築会社と揉めている状態だとのことでした。

この違いは、能力の差ではなく、依頼主が助言をどう扱ったかの差です。先ほどのビルクリーニング会社の経営者は、1週間という期限を守り睡眠を削ってでも指示を実行されました。歯科医院の依頼主は、警告を受け取りながら人間関係を優先されました。

鑑定を受ける側にも、必死さが求められます。いい加減な気持ちで臨まれるなら、そもそも意味がなくなる結果になってしまいます。これは、今まで鑑定をしてきた全ての事例に当てはまります。

そして、事前の警告はたいてい「違和感」という形で本人にも届いています。商談中、社内の打ち合わせ、くつろいでいるときの思考の中で感じる、あの引っかかり。多くの方は、そんなことはないと見過ごします。それが判断を見誤っているというサインだとは知らずに。

急ぐ契約ほどリスクは高い、とも言われます。物事を進めるには一定の時間が必要で、それは判断を見誤らないためのものです。しかし人はゆとりがなくなると、藁にもすがるように急いでしまう。サインは様々な角度から送られているにもかかわらず、その99%は届かないとされています。

結果はプロセスで決まります。結果は結果でしかありませんが、プロセスにはその先の続きがあります。プロセスを誤れば、たとえ結果が良くても、その先に次はありません。

鑑定を経営に活かすために、まず自分でできること

鑑定を受けるかどうかにかかわらず、経営者が自力で取り組めることがあります。私が常にお伝えしているのは、断捨離・掃除・換気の三つです。

倒産間近の会社の事例では、2回目の鑑定で物の整理から始めてもらいました。物が溢れている状態は、家であれば病気に、会社であれば不渡りや倒産につながりやすいと見ます。

意外に思われるかもしれませんが、その中でも特に重視されるのが洋服の断捨離です。人は様々な場所で、知らないうちに他人の念を受け取り、それを服につけて帰ってきます。そのままクローゼットにしまい込むと、蓄積されていく。それを吸い込んだまま出社し、社内でも同じことが起こり、結果として仕事が回らなくなっていきます。

また、流れを変えたいとき、決めたい契約があるときは、まず玄関を整えることを勧めています。箒で丁寧に掃き、靴箱の上には物を置かない。お酒と塩を1対1の割合で水に薄めたもので、下駄箱の上、玄関の扉、玄関周りを拭く。道具を仕舞ったら、最後に玄関へひとつまみの塩をぱらぱらと振る。それだけです。

さらに、金運が下がるサインとしては、三つが挙げられています。体調がすぐれない。家や車が物で溢れる。人の悪口を言う。心当たりがあれば、その前の行動を振り返るきっかけになります。

停滞を感じたときの心がけも三つです。感謝、笑顔、そして断捨離・掃除・換気。特別なことをするわけでも、神仏に関連するものや天然石、壺などを購入するわけでもありません。

まとめ

経営に霊視などの鑑定が効果的かという問いに、過去の鑑定結果から言えることを整理します。

見えている範囲は、決して抽象的な励ましではありません。名刺情報からの人物像、ローンが下りるかどうか、集客に苦戦するかどうか、敷地内の井戸の有無、業者との相性、商談が成立する日付と条件。いずれも経営判断に直結する具体性を持ってお伝えしています。

一方で、鑑定は魔法ではありません。歯科医院の事例が示す通り、警告を受け取っても実行しなければ結果は変わりません。効果が出た経営者は、期限を切られた指示を、介護と仕事の合間に睡眠を削って実行されました。分かれ目はそこにあります。

そして、鑑定を受ける前にできることが残されています。断捨離、掃除、換気。玄関を整えること。違和感を見過ごさないこと。急ぐ契約ほど一度立ち止まること。

契約が解約されたとき、それを損失と見るか、守りと見るか。その解釈の違いだけでも、次の一手は変わってきます。うまくいかないことがあるとき、そこには目に見えない理由があるかもしれない。その視点を一つ持っておくことが、時間とお金、そして会社の未来を守ることにつながります。