その詣り方 STOP!!

神社へ行ったとき、あなたはどのようにお参りしていますか?

鳥居の前で一礼をして、手水舎で手を清め、本殿の前でお賽銭を入れて二礼二拍手一礼。

「いつもこのようにしている」という方も多いのではないでしょうか。

もちろん、形を整えることも大切です。

でも私は、それ以上に大切なのは、

「今から神様にお会いする」

という気持ちではないかと思っています。

神社は神様の「家」と考えてみてください

少し分かりやすく考えてみましょう。

神社を神様の『家』だと考えると、

鳥居は『門扉』。

そして、本殿に近づいていくことは、神様のお住まいを訪ねていくことにも似ています。

そう考えると、神社でなぜ礼をするのか、なぜ拍手をするのか、なぜ拝むのかが、少し身近に感じられるのではないでしょうか。

あなたも誰かのお宅を訪ねたとき、何も言わずに玄関を開け、いきなり自分のお願い事だけを話すことはしませんよね。

「こんにちは」

「お邪魔します」

そう言ってから中へ入るはずです。

私は、神社への参拝もそれとよく似ていると思っています。

なぜ「礼」をするのでしょうか?

『礼』は、人間の世界でいえば、

「こんにちは」

「お邪魔します」

「お会いできてありがとうございます」

という挨拶のようなものです。

神様のいらっしゃる場所へ入らせていただく。

そのことへの敬意を、身体で表しているのが「礼」です。

ですから、ただ決められた回数だけ頭を下げればよいというものではありません。

ほんの一瞬でも構いません。

「これからお参りさせていただきます」

という気持ちを持って頭を下げてみてください。

同じ一礼でも、気持ちの入り方が変わってくるはずです。

「拍手」は神様への合図

では、なぜ神前で手を叩くのでしょうか。

私は『拍手』を、

「私は今、ここへ来ました」

と神様へお知らせする合図のように考えています。

家を訪ねたときに、玄関で「ごめんください」と声をかける。

それと少し似ています。

パン、パン、と手を合わせる。

ただ音を鳴らすのではなく、

「今からお話しさせてください」

という気持ちで拍手をしてみてください。

「拝」は神様への敬意とご挨拶

そして『拝』。

深く頭を下げるこの動作には、

「よろしくお願いいたします」

「ありがとうございました」

という気持ちを込めます。

お願い事を伝えたのであれば、

「どうぞよろしくお願いいたします」。

日頃の感謝を伝えたのであれば、

「いつもありがとうございます」。

そして参拝を終えるときには、

「今日もお参りさせていただき、ありがとうございました」。

そんな気持ちで頭を下げてみてください。

「二礼二拍手一礼」だけで終わっていませんか?

神社参拝では、

二礼二拍手一礼

が一般的な作法として広く知られています。

ただし、神社によっては異なる作法がありますので、その神社で定められている参拝方法があれば、そちらに従ってください。

でも、私が伝えたいのは作法の回数だけではありません。

大切なのは、

その一つひとつに、どんな気持ちを込めているか

ということです。

形だけ二回頭を下げて、二回手を叩き、

「お金が入りますように」

「仕事がうまくいきますように」

「良い人と出会えますように」

とお願いして帰る。

それだけでは、少し寂しいと思いませんか。

神様にお願いする前に、まず「自分が誰なのか」を伝える

ここで、私が神社へ参拝するときに大切にしていることがあります。

それは、

自分の名前を神様にお伝えすることです。

必要に応じて、住んでいる地域や住所もお伝えします。

例えば、

「大阪府〇〇市から参りました、〇〇〇〇と申します。本日はこちらへお参りさせていただき、ありがとうございます」

というように、ご挨拶します。

誰かのお宅を訪ねたときも、

「こんにちは。〇〇です」

と名乗りますよね。

それと同じように考えると、とても自然なことではないでしょうか。

私は、神様へお願い事をする前に、まず自分が何者なのかをお伝えすることを大切にしています。

いきなりお願い事から始めない

そして、もうひとつ大切にしてほしいことがあります。

神様の前に立った途端、

「〇〇してください」

「〇〇になりますように」

とお願い事だけを並べないことです。

まずは、

今日ここへ来られたことへの感謝。

そして、

日々、無事に暮らしていることへの感謝。

それを先に伝えてみてください。

そのうえで、

「私は今、このようなことで悩んでいます」

「このことについてお力添えをいただければ幸いです」

と、自分の願いをお伝えします。

神様を「願いをかなえてくれる存在」としてだけ見るのではなく、

ご縁をいただき、見守ってくださる存在

として向き合うことが大切だと私は考えています。

お願い事は、できるだけ具体的に

「幸せになりたいです」

「お金持ちになりたいです」

「仕事を成功させてください」

これでは、少し漠然としています。

例えば、

「今取り組んでいる仕事について、自分にとって正しい方向へ進めるようお力添えください」

「家族との関係を良い方向へ整えていけるよう、私自身が気づくべきことをお教えください」

というように、

自分が何を願い、そのためにどうありたいのか

までお伝えしてみてください。

神様にすべてを任せるのではなく、

「自分も動きます。そのうえでお力をお貸しください」

という気持ちでお参りする。

私は、この姿勢がとても大切だと思っています。

神社参拝は「お願いをする場所」だけではありません

神社というと、

「お願い事をしに行く場所」

と思っている方も少なくありません。

でも、本来はそれだけではないと私は思っています。

嬉しいことがあったとき。

仕事が無事に終わったとき。

苦しい時期を乗り越えられたとき。

願っていたことがかなったとき。

そんなときにも、

「ありがとうございました」

とお礼を伝えに行ってみてください。

お願いをするときだけ訪れるのではなく、感謝を伝えるためにも神社へ行く。

そうすると、神様との向き合い方も少しずつ変わってくるかもしれません。

神様の前では、難しく考えなくても大丈夫です

礼の角度は何度なのか。

拍手はどれくらいの強さなのか。

お願い事は何秒以内なのか。

細かなことばかりを気にしていると、肝心な「気持ち」が置き去りになってしまいます。

もちろん、その神社の作法を守ることは大切です。

でも、それ以上に、

神様の前に立ったとき、きちんとご挨拶をすること。

そして、

感謝の気持ちを持って、自分の言葉でお伝えすること。

私は、それを大切にしてほしいと思っています。

次に神社へ参拝するときは、

ただ「二礼二拍手一礼」をするだけではなく、

「神様のお宅へお邪魔している」

そんな気持ちで鳥居をくぐってみてください。

そして神前に立ったら、まず名前を名乗り、今日ここへ来られたことへの感謝を伝えてみてください。

いつもの神社参拝が、今までとは少し違ったものに感じられるかもしれません。